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Flavor coffee
フィスコの焙煎機を改造する
珈琲科学館(1F) /焙煎理論(3F)
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cup 改造前の焙煎機

フィスコ AD-201という焙煎機を名古屋の「O」君がもっていて 改造を頼まれました。 この焙煎機は、自家焙煎してみませんか というホームページをつくっている佐藤さんが使っていたものをゆずりうけたらしいのです。 ちなみに、佐藤さんといえば、早くからこのホームページからリンクを張っている人なんです。 結構、世の中ってせまいなぁと、感じてしまいました。

(写真・改造前の焙煎機)

フィスコの焙煎機の問題点

最初に焙煎機をみたときに「なんじゃこりゃ」と思いました。 前の軸受けがないし、排気の調節もない、温度も測れないと ここまではがまんしましょう。しかし、バーナーの近くに 薄いステンレス板一枚をはさんでコンデンサーは危ないでしょう。 温度が高くなって破裂したらどーーーーすんだよう。 などとめちゃくちゃぼろくそにけなしていました。
こんなもん買うやつはいないんじゃあないのと思いました。
(頼まれた以上改造しようとは思っていましたけどね)

(写真・改造後の焙煎機)

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cup どこを改造するか

今回の改造では、以前ミルク缶焙煎機の改造で使ったノウハウを 多用しようと思いました。軸受け部分やスプーン兼温度計などは ミルク缶焙煎機と同じようにつくればいいので簡単だと思いました。 今回、始めての試みとしては排気を強制排気(モーターによる排気)を 使わず煙突による自然排気を使ってみようと思いました。 簡単に言うと煙突の根元にダンパーを付けるだけなんですけどね。

(写真・カバーをはずした状態)

今回の改造の目玉

今回の改造の目玉としては、排気のカバー部分にある程度の空間を 設けるようにしました。なぜかというと、煙がドラムより上部にたまってから 排出するような構造にしたかったからです。これはドラムの上部に空間をつくっておかないと コーヒー豆と煙を分離した状態にする事ができないため簡単に煙と豆がからんだ状態になってしまうのです。 それを防ぐために排気を開けると今度は排気オーバーになってしまうのです。 つまり、この空間をつくることによりこの空間が緩衝材のような役割をしてくれて排気に余裕持たせてくれるのです。
ちなみに、この温度計の取り付け方は煎っ太郎の改造で使った方法です。

(写真・温度計付近のアップ)

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cup フィスコの問題点

フィスコの焙煎機の問題点はコンデンサーの温度が上がりすぎることです。 これを防ぐために断熱のためにもうひとつ壁を設ける事にしました。 (これは、使わなくなったフロントの軸受け用ステンレス板を利用しました) その板にガスバーナーも取り付けました。これにより 焙煎機の前面に空間が空いてチャッカマンなどてガスに点火しやすくなりました。 たぶん、豆をドラムにいれた状態ではずしておき、ガスに点火したらおもむろに 軸受けにドラムをのせたんだと思います。(普通は、余熱が必要だと思うんですけどね・・・・) と、勝手に想像していたら、佐藤さん(前の持ち主)から 「最初に空焚きしてしっかり余熱を持ったらじょうごで豆を入れるのですよ」と教えていただきました。
はははは、いいかげんなことは書いちゃあいけませんね。反省。

(写真・スプーンのアップ)

とりあえず焙煎してみる

バーナーに点火してみました。はっきり言って、不安定な炎だしガスを全開にすると 不完全燃焼になっちゃうしやっぱりだめかなぁと思いました。 それでも、一番安定した炎にして適当な温度になるのを待ちました。 そして、豆を専用のじょうごて投入しておき、排気を絞り気味にしてみました。 この状態で豆投入口から水蒸気がでれば蒸らしはうまくいくのです。 そして、排気を開けていったときに豆投入口からでていた水蒸気が止まれば 排気能力は大丈夫なんです。(ぼくは、業務用の焙煎機だってこんな感じて判断しています) 実際に試してみたら、この煙突による自然排気の性能がめちゃくちゃいいのです。 この段階でぜったいにうまいコーヒーができると確信しました。

(写真・軸受部分)

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(写真・ダンパー閉状態)
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(写真・ダンパー開状態)

cup すごい!

たった2日間の改造であまり期待はしていませんでしたが、コーヒーを焙煎してみて 本当にびっくりしました。ひかりのさとファームのために改造した煎っ太郎よりも うまく焙煎できるのです。(電動ミルク缶焙煎機よりもちょっと劣りますが・・・・) これならば、改造して売ってもいいと思いました。 たぶん、1日で改造できるから 5万円の焙煎機を改造して7万円で売ろうと考えました。

いわゆる「取らぬ狸の皮算用」状態です。
販売元の山下コーヒーに電話をいれて焙煎機をおろしてもらえるように交渉しました。
ぼく 「フィスコの焙煎機を卸してもらえますか」
山下コーヒー「いいですよ」
心の中で狸は捕まえたと思いました。
山下コーヒー「ちなみに、今ある10台の在庫がなくなると廃版になりますけど・・・・」
ぼく「・・・・・・・・」
どうも、ぼくはお金に縁がないようです。

(写真・豆投入用じょうご)

フィスコの焙煎機、その後

ある日、フィスコの焙煎機(通称 トーマス)を改造してあげた「O」くんが モーター部分にパッキンを取り付けて欲しいとトーマスと共に遊びにきました。 (パッキンをつくるのはめちゃめちゃ簡単だった) 「O」くんとの雑談の中でどの部分を改造すれば もっと性能がよくなるかを「O」くんと話し合っていました。 うちの焙煎機がバーナーの高さを切り替えて成功しているので 「トーマス」もバーナーの切り替え装置をつくろうという話になりました。 夜の8時から11時までがんばってバーナー無段階高さ切り替え装置を つくってみました。(けっこう、改造には時間がかかるものなのです。)

(写真・高さ切り替え装置付きバーナー)

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(写真・可変バーナーと微圧計)

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(写真・最新フィスコの焙煎機)

大宮の「O」さんの焙煎機
お盆に「O」さんが持ち込んだフィスコの焙煎機です。 今回は、微圧計とバーナーの高さ切り替え装置をいっきにつけてみました。 なんせ、西尾市から大宮市までは、めちゃめちゃ遠いので あまり遅い時間までかけてつくるわけにはいきません。 そこで、「O」さんに手伝っていただいて この大改造のわりには3時間ぐらいで終わってしまいました。 (もう、家庭用のおもちゃとは言わせない!)

cup 恐るべし「M」さん

徳島の「M」さんから、メールがきました。
うちのフィスコの焙煎機をみてつくりたいといってきました。
勝手にやってもらってもぼくとしては、ぜーーーんぜん気にしないんですけどね
実際に、作り方を細かく説明したんですが、実際に「M」さんがつくった焙煎機をみて ぜんぜん説明しなくってもよかったじゃんとおもいました。
はっきりいって、ぼくよりも焙煎機がうまくできているんだもん!

(写真・「M」さんがつくった焙煎機)


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