焙煎機の煙突掃除 [珈琲科学館(1F) /焙煎理論(3F)] |
コーヒー屋の仕事というと、コーヒー豆を焙煎したり、ハンドピックしたりとそんなイメージがあると
思います。けっこう、知られていないけど、重要なのが焙煎機の掃除なんです。
その中でも、煙突は、火災の原因にもなるのでまじめに掃除をします。
通常、300回ぐらい焙煎したら掃除をします。
(実をいうと、うちの店では、何回焙煎したかがわかるようにカウンターがついていて
、300回になったら掃除をすることにしているのです)
|
300回ぐらい焙煎すると内側に1センチぐらいクリンカーが蓄積します。
(クリンカー:コーヒーを焙煎して生ずる油成分)[写真 左]
ですから、煙突の内径が2センチぐらいは、小さくなります。
これにより、排気効率がさがるわけです。
しかし、そんなことよりも、煙突の内側についた油が曲者なんです。
温度が上がると、この油がもえるんです。
● 写真の説明
写真 左 | 煙突にくっついているクリンカー(煙突の長さ約20cm) |
写真 中 | クリンカーを皿に入れて電熱器で熱を加えます。 煙が出てクリンカーが液化します。 |
写真 右 | マッチで火をつけると勢いよく燃えます。 本来の煙突は10mぐらいはありますからこの程度の火では済みません。 |
焙煎機の煙突は、通常あまり温度が上がらなくできています。(サイクロンの温度で約70度)
しかし、通常の焙煎でなく深煎りのコーヒーを煎っている場合はこれ以上に上がります。
それと深煎りでは大量の煙が煙突に送られます。深煎りを焙煎中に目を離したりすると異常高温になり、
チャフ(渋皮)に火がついてサイクロンに飛んでいきます。それが引火の引き金になります。
一回焙煎するとこれだけの チャフ(300cc)がサイクロンに たまります。(モカ 3キロ) ※サイクロン=集塵機 |
コーヒー屋の焙煎機の煙突(ステンレス製)で、もし、色が変わっていたら、
それは、そのコーヒー屋さんが、掃除をおこたって煙突に火がはいってしまったんです。
ステンレスは、高温になると、変色してしまうんです。
そういう場合は、煙突掃除をやるように教えてあげてください。火事になる前に。