マルヤス工業試作2号機 [総合案内所(1F) /焙煎理論(3F)] |
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その試作機に、ぼくのつくった制御盤を接続して試験を始めることにしました。 この機械のよさは蒸気に圧力があるので三方バルブが使えるようなったことです。 ぼくが、最初につくった加湿器の改良版は蒸気の分岐はできるんですが残念ながら蒸気に圧力がなかったのです。 それに対してこの機械は蒸気に十分の圧力があったので、蒸気を焙煎機の釜の方へ送ったり煙突の側に送ったりの実験が 結構簡単にできたのがよかったです。 試験機としては使いやすかったしいろいろなデーターどりに活用できました。 どのタイミングでどれだけの蒸気を何分間送れば適切か・・・ これがわかれば焙煎の職人芸が数値化できる可能性を秘めていると思いました。 |
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蒸気の噴出し口は釜内に送り込むパイプと煙突の方に直接送り込むパイプとあります。 蒸気は基本的に「蒸らし」の段階に送ると効果がでます。 (煎る段階まで送ると逆効果) それ以外のときには、蒸気を直接排気ファンのほうにパイプで送り込み煙突から外へ排出させます。 なぜ、「蒸らし」の時以外、蒸気が不要なときに煙突の側に送っちゃうかといいますと ふたつの理由があります。 蒸気を室内に排出すると部屋の湿度が上がってしまって煎る段階では、その湿度が煎るのを邪魔してしまうのです。 つまり、「蒸らし」の段階では、湿度はあったほうが非常に役立つんですが、そのあと「煎る」段階になると 残念ながら邪魔になってしまうのです。 そのせいか、焙煎という作業では湿度はコーヒーの味を左右する重要な要素となるわけです。 梅雨時のように湿度の多いときは「蒸らし」は結構うまくいくんですが、「煎る」段階で失敗してしまうのは この湿度というものを理解していないことに依存しています。 逆に、冬などの湿度の低いときには「蒸らし」はうまくいかないけれど「煎る」段階ではうまくいくことになるのです。 もっと、掘り進めると焙煎機のドラムの長さが長いタイプと短くて直径が大きいタイプでは、焙煎機の性質が大きく違ってきます。 ドラムの長さが長くて直径が小さいタイプは「煎る」のは得意ですが「蒸らし」が苦手です。 逆にドラムの直径が大きくて長さがないタイプは「蒸らし」は得意ですが、残念ながら「煎る」のが苦手となるわけです。 オールドクロップのように「煎る」のが中心だった昔は、ドラムの直径が小さくて長さが長いタイプのほうが コーヒーがじょうずに焙煎できたと思います。 (この湿度の特性を理解すると、どんな土地でもどんな焙煎機でもとりあえずは使えるはずです)
もうひとつ、蒸気を煙突に送る理由は煙突にたまる「クリンカー」なのです。
この「クリンカー」は、270度以上に達するとで引火しやすくなりますからたまたま、チャフなどに火がついた状態で
煙突までいってしまったりすると煙突内の「クリンカー」が一気に燃えることになるわけです。 |
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(まぁ・・・あたりまえですが・・・・) 実際に蒸気を送り込んでいる間は、どの程度の湿度上昇があるのだろうか・・・ たぶん、コーヒー屋さんなら誰もが考えることではないでしょうか・・・ このことをマルヤス工業の溝田君にいうと、それにちょうどいいようなセンサーをみつけてきてくれました。 (はっきりいってこの測定器は、一ヶ月のリース代がめちゃめちゃ高かったらしい・・・) 焙煎機内の湿度のはかりかたですが非常に簡単な方法をとりました。 焙煎機に穴をあけてそこから一定量だけ空気を抜きます。 (ここでは、真空ポンプで決まった量づつく空気を抜いていた) なぜ一定量だけ空気を抜くのが大事かというと排気ダンパーのを変化させたときにセンサー部分に 送られる空気の量が変化するのを防ぐためです。 真空ポンプで空気を抜いて湿度をはかるとめちゃめちゃきれいなグラフがかけるようになりました。 この装置をつかって、一番の成果はなんといっても「いちはぜ」の重要性です。 焙煎という作業でコーヒーは15%前後の目減りを起こします。 (中煎りぐらいでの話) その水の抜け方というのは最初の「蒸らし」で約7%が消えます。 そして、あとの7%ぐらいがこのはぜのときに一気に消えるのです。 ですから、湿度センサーの数値は必ず「はぜ」に合わせて針が大きく振れるのです。 ちなみに、そのはぜ手前の焙煎度合いの豆は、煎ったコーヒーのだすガスの量が極端に少ないのです。 ついでにいうと「2はぜ」の時には、湿度計の針は余り振れませんでした。 ・・・・・・・・・・・・・ 蒸らしに要した10分間に抜ける水の量とたった1分か2分の「はぜ」の間に抜ける水の量が等しいのには ちょっとびっくりしました。 |
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水分計は、豆を一定量セットするとゆっくりと加熱して水分を取って 最初の重さとの差を計算するといういたって簡単な装置です。 ぼくと、溝田君の予定では焙煎途中で豆を取り出して水分計で 水分の含有量をはかっていけば、どの時期にどれくらいの水分が抜けているかが わかると思ったのです。 しかし、コーヒー豆の焙煎はめちゃめちゃデリケートで あまりきれいなデーターにならなくてあきらめてしまいました。 結局、その実験ではほんちゃんのコーヒー豆を途中まで焙煎した途中に落として冷却して 実際にどれだけ減ったかを調べる方法をとることにしました。 この方法は、コーヒー豆のロスはでますが結構0.2g単位のはかりで測定すると 結構の精度ででてくれるのです。 この方法が確実で、現実的だと思いました。 |
こんな感じの装置を使って過熱水蒸気の研究をしました。 実際に実験した時のデーターもどんどんのせていきます。 なぜ、ぼくが過熱水蒸気という技術に魅力を感じたかとかが だんだんわかってくると思います。 まだまだ、この技術は研究途中ですが、とりあえずマルヤス工業とぼくとの 共同特許までこぎつけたので、安心して実験結果を公開していくつもりです。 (基本概念の特許ですから・・けっこう範囲が広いんです) 興味がありましたら、メールで質問してください。 わかることならばお答えします。 |
制作/フレーバーコーヒー 愛知県西尾市永楽町4-21 0563-57-1292 ☆よければお店に来てください。 名鉄西尾駅西へ徒歩5分 [地図] ※このページの情報を転載したい方は御相談ください。 |