フレーバーコーヒー (Flavor coffee)

蒸らしを考える

(ドーム型ふたの効能)


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ドーム型のふた
松屋式ドリップの最大の弱点は、蒸らし時間の長さにあります。
通常3分という長さが必要なんです。
これはお湯を粉にかけた後、粉の内部の炭酸ガスが水蒸気と入れ替わるために必要な時間なんです。
つまり、この入れ替え時間が短縮できる方法がみつかれば松屋式の最大の弱点が克服することができるということになります。
現在使っているドーム型のふたがその可能性を秘めています。

なぜふたが必要か(平らなふたの場合)
粉にお湯をかけるということは、粉内部は湿度0%に対して粉外部は湿度100%という状態が出来上がります。
その湿度の差が平衡状態を保とうとして粉内部から炭酸ガスが放出されて外部の湿度を下げようとして働きます。
外部の水蒸気は粉内部に入り込んで湿度を上げようとします。
ここで重要なのは、ふたをすることにより湿度を100%に上げるこということです。

ドーム型のふたと平らなふたとの差について
湿度を上げることに関しては平らなふたとドーム型のふたでは差はありません。
大きな差はドーム型のふたは空間を持っているということです。
粉の内部の炭酸ガスは気体なのでて来るためには空間が必要なのです。
平らなふたはその空間が用意できていないのです。
それに対して、ドーム型のふたの場合は
炭酸ガスが粉からスムーズに放出されるための空間が最初から用意されているわけです。
スムーズな入れ替えが行われることにより、短時間の蒸らしが可能となるのです。

今回は、動画を使って蒸らしを検証することにしました。
基準となるものは、ぼくが通常抽出しているコーヒーです。
そのコーヒーとお湯をさしていてどんな違いがでるかで
しっかり蒸らされているかどうかを判断しています。

通常ふた・3分蒸らし
蒸らし 56g
350g・・・・1分34秒

抽出を重さで数値化しました。
通常の松屋式ドリップをぼくがやってみて、その時の数値にドーム型ドリップで近づくかを
試して、蒸れ具合を判定することにしました。
蒸らしは、56gのお湯を使ったという意味です。
350gは、300ccのコーヒーがサーバーにできたときが重さでは350gであったということです。



ドーム型ふた・1分蒸らし
蒸らし  58g
350g・・・2分10秒

この蒸らしに使ったお湯の量に関しては、誤差が生じるので無視するとして
問題となるのは350g(300cc)のコーヒーが出来上がるまでの時間です。
蒸らしがしっかりできていない場合のコーヒーは、コーヒーの粉が動きやすくその分お湯のコントロールが難しくなります。
コーヒーの持っているガスが、お湯の通りを邪魔するのでどうしても時間がかかってしまいます。
1分蒸らしでは、350g(300cc)抽出するのに30秒以上余分に時間がかかっています。
つまり、完全にガスが抜けている状態とは言い切れないということだと思います。



ドーム型ふた・2分蒸らし
蒸らし  63g
350g・・・1分37秒

抽出の時にお湯をさしていて非常にしっくりいきました。
350g(300cc)を抽出する時間も3分蒸らしの時と何ら変わりなかったです。
粉を動かさない状態で抽出する場合、このコーヒー豆の持っている泡が抽出を邪魔するわけです。
つまり、そのコーヒーの持っているガスが抜けているかによってお湯の通しやすさが決まるというわけです。



ドーム型ふた・3分蒸らし
蒸らし  56g
350g・・・1分11秒

ドーム型のふたで3分間の蒸らしを行うと通常のふたを使って
3分間の蒸らしを行った時よりも明らかにガスの抜けがいいと思います。
そのためにお湯の通りがよく350g(300cc)を通す時間も短くなります。
ただし、コーヒーの粉の中に滞在する時間も大切なので短時間で通ればいいというものではありません。
ぼくの経験では、300ccを1分半が基本だと思います。

結論
ドーム型のふたを使う場合、蒸らし時間を2分に短縮できます。
3分以上の蒸らしをしてもいいですが、その場合はお湯の通りがいいことを
頭に入れて抽出をする必要があります。


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